③コンクール考
さて、ヴィオラコンクール創始者の今井信子さんのお話から抜粋させていただきますね。
『競うことを最終目的にするべきではない。
精神的にギリギリのところに立ってみなければ見えない世界がある』
___これ、なんて的を得た言葉だろうと膝を打つ思いがします。その通り、私も全く同感です。
『審査法を〇か×にした。これが一番健康的と思った。技術と表現を分けず、全体の感じでジャッジするので、必ずしも巧い人が勝つとも限らない』
___なるほど、ですね。〇か×だけというのは思い切った方式だけど、審査する立場として納得できる部分は大きいです。あまりにアバウトすぎるとコンクールという形態が保たれるかが少しむずかしいところでしょうか。
『勝ち負けのこだわりを超え、互いに敬う精神を育てたい』
___本当にそれは理想ですね。他者から学ばせてもらうことは大きいので、他の演奏から刺激や学びを受けて育っていけるといいですよね。
さらに、『コンクール後のケアが大切。実力の発揮はその日の運でしかない』にも大きく共感します。
『出場者がここまでどれほど努力してきたか、どれほどの思いでここにいるのか。そういう目に見えない精神の世界を敬う心を』
___まさにその通りです。精神的に研ぎ澄まされた世界があることを知ってほしいと、私も思います。
本番のステージ、その研ぎ澄まされた瞬間でないと見えないもの、感じられないものは、確かにあります。そこから伝わっていく何か、それが感動というのかもしれませんね。
今井信子さんのお話から抜粋させていただきました。
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