③仲間・同士の存在
前回に続きまして、心理士の先生のお話を。
___人と人の関係は一緒に体験した記憶が大切で、そこに共通の気持ちが生まれます。
一緒にコンクールを目指した仲間同士はライバルでもありながら、同じものを目指す同志。実際に深い付き合いがなかったとしても、そこには何かの気持ちが芽生えます。同じ目標、同じ大変さを感じる者同士しか持てない気持ち。そしてお互いに対する憧れや敬意も生まれます。
私がよく思い出すのは、発表会での生徒同士の写真の撮りあい。
ふだんは一緒になることのない生徒たち、少し大きくなった子たちは発表会の時に「一緒に写真撮ってください」とか「先輩のこと、憧れていたんです」と、ピアノという共通のものを通して交流していた姿をよく見かけました(コロナ以降はめっきりなくなってしまって残念…)
そこには先輩への尊敬と憧れがあり、わくわくした笑顔の生徒たちがなんとかわいらしかったことか。
「わたしもあの曲が弾けるようになりたいです」
「あの先輩の演奏がいつも楽しみで…」と、お互いを評価し切磋琢磨する姿がありました。
こういうのっていいなぁ…と、私はいつもほほえましく嬉しい気持ちで見ていたものです。
練習はちょっと大変でも、あの先輩のようになりたい、あの曲を弾けるようになりたいという憧れの気持ち。そしてお姉さんたちを見上げていた生徒が、いつの間にか自分も先輩となって憧れられる存在になっていく。すごくいい話ですよね。
ピアノを弾く者同士に感じる親和性、尊敬と憧れ、そしてライバル心。
いろんなものを経験して大きく成長してくださいね。
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