タイプによって
前回では、元気タイプと静かタイプの性格の違いについてお話ししました。
人にはもって生まれた気質というのがあって、それが環境などによってできていく性格の下地になっていることが多いです。
色んな気質タイプがありますが、ゆっくりタイプとテキパキタイプについてお話しますね。
親御さんたちは、お子さんがてきぱき動いてくれると助かりますよね。お母さんの口癖が「早く早く!」というのはよくあることですし。私も子育て中は全く同じ思いをしましたよ。
さて、
以前レッスンに来ていた生徒さん、Aちゃんについて。
Aちゃんはおっとりしてゆったりした女の子。高3までそれは一貫して変わることなくいつもマイペース。慌てたり焦る様子を見たことがありません。情緒はとても安定していてイライラもなく、いつも穏やかなほほえみを浮かべていてやさしい雰囲気です。
小学生の時、聞いたことがあります。
____宿題だけど、もっとやってみる?
「うーん…このくらいでいいかなぁ」
もうちょっとがんばったらコンクールも出られるよ。
「うーん…出なくていいです」。。。という具合で、進度を気にすることもなく、本当にいつもマイペース。
さて皆さん、彼女の演奏の出来映えが気になりませんか?
小学生の頃はそういうわけで、進度も早くはなかった。けれど、中高生になったらほかの生徒と同じようにショパンもドビュッシーも弾くようになっていたんですね。つまり、進度やレベルがいつの間にか追いついていたというわけです。
私はこのAちゃんのことを時々思い出します。
つまり、
今現在はゆっくりだとしても、歩みを止めなければいつかみんなに追いつくということなんですね。
人には短距離タイプと長距離タイプがあるのです。
短距離の人は瞬発力が大きく成果も出しやすいけど、飽きるのもあきらめも早い傾向がある。
長距離タイプはゆっくりに見えるけど何事もじっくり取り組めて、焦りや雑音が少ない。
ゆっくりタイプの生徒さんに、急かしたり遅いからダメと言ったりするのは逆効果です。
その子のペースを守りながら、でもすこーしだけリードして導いていく。これがストレスやコンプレックスを感じさせずに育てていくコツです。
みんな色んなタイプがある。
今、成果がほしいのはよくわかるけれど、早くできないからダメと思わせないように気をつけてくださいね。
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