③叱ると怒る
さて、叱ると怒るはちがうと言われていますが、どうちがうのか?
平たく言うと、
叱るというのは言葉で諭すという感じ、怒るというのは感情をぶつける感じ、という分け方もできます。冷静さと感情的になるという違いでしょうか。
そういえば、人間の感情の喜怒哀楽に、“叱る”という感情は入ってない。怒ると叱るはとても似ているから混同しやすい、でも同じじゃないということですね。
ついでに言えば、
悲しい、つらい、さびしい、苦しい、切ないなども、似ているけどちがいます。幼いうちはその違いが判らないけれど、年齢が上がるにつれてその微妙な違いが分かってきます。ただその違いを言葉で説明するのは非常にむずかしいですね。
話を戻しまして、そうはいっても親も人間。感情的になることだってありますよね。
これは私見ですが、感情的なのが悪いとは限らないと思うことがあります。
というのも、左脳=理論的なことばかりで接すると子どもは自分の言いたいことを言わなくなっていくのです。
何か言ってもどうせ理屈で言い返されるから何も言わない、とあきらめているお子さんは意外なほど多い。そして、理屈や言葉で説明できないけれどちゃんと思っていることはあるということも、伝えられなくなってしまうのですね。
正論ばかりで追い詰めるのではなく、目に見えない気持ちを汲んでやることで子どもとの距離が近くなっていきます。気持ちを閉ざしたらもう親=おとなになにも言わなくなってしまうので、時すでに遅しとならないように。
結局のところ、
時には感情的になることがあっても、いつもそうならないようにすればいい。つまりは理性と感情のバランスです。
もし親御さんが自分は感情的になりやすいタイプなら、少し冷静に子どもとの対話を心がければいいですし、
理屈で言い負かし気味なら、言葉で説明できないものがあることを認め、子どもの気持ちにより添おうとすればいいのです。
人と人の関係は常に同じではありません。
誰しもが少しずつ成長しています。子どもだけでなく、おとなであっても。
ですので、偏らないようにするにはまずおとなが自分のタイプを知り、それによってバランスをとるように接し方を考えるといいのではと思います。
ちなみに、私の生徒さんとの接し方は、
生徒が10歳ごろまでは、先生としての立場でいることが多く、
10~12歳以降は、相手の成長をみながら少しずつ、対等というか一個の人間として接するようにしています。
生徒さんそれぞれの反応によって合わせていくことになりますが、
学校がイヤでもレッスンには来る子がいるのですから、いつでも生徒の気持ちに応える心構えでいます。それがピアノであってもピアノ以外でも。
0コメント