「日本のピアニスト」本間ひろむ著
新書「日本のピアニスト」を読みました。
内容は、日本におけるピアニストの歴史、という感じでしょうか。
明治時代に学校が作られ、それと同時に音楽教育が広まり、オルガン製作からピアノ作りへと事業も拡がり、幸田延や久野久などのピアニストたちが育っていく過程がまとめられています。もちろんその流れは、最も新しい所の反田恭平、小林愛実、角野隼人まで。
今まで私も著者の本間さんが参考文献にした書籍は読んでいましたが、こうしてまとめられたものは、初心者のみなさまにもコンパクトでわかりやすい内容かと思います。
こうしてみると改めて、日本におけるピアノの歴史やピアノ教育の流れがよくわかりますね。
私が学生だった頃によく聞かれていたピアノ指導者の派閥のような話も実際ありましたし、
指導者によって生徒のその先が変化するなど、ない話ではありませんでしたが、今はどうなんだろう?おそらく、ですが、そういう人同士の感情的な話は薄くなっているのではと思います。
日本におけるピアノ教育のレベルの変遷、それは私自身が身をもって経験してきた流れでもありましたが、それを経て現代におけるピアノレベルは相当高まっていると言えますね。
もちろん世界に通じる日本人の若手も多く、30年前に来日していた海外ピアニストのレベルを思い返すと、今の方がはるかに高いレベルになっていますよね。
特にテクニック的に不備の見えるようなプロピアニストはほぼいませんし、これだけうまいのにステージピアニストとしてデビューはむずかしい、ということも山ほどあります。
最近は角野隼人さんが新しい音楽を作り出していて、こうした従来のクラシックピアニストの枠を超えた音楽は、改めてクラシックコンサートを広めてくれるのではと期待が高まりますね。
もしご興味のある方はこの親書を一読するのもおすすめですよ。
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