補完
聞き慣れない言葉ですよね、補完。
かんたんに言うと、何かと何かがそれぞれ補っていること、かな?
ピアノを弾かない方に時々言われることですが、「あれだけたくさんの音符をよく覚えられますね」
この疑問、初めて言われたときは驚きました。だって、ピアノを弾いていたら当然のように曲を覚えますものね。でも、ピアノ経験がない人から見たらそれはすごく大変そうに見えるのでしょう。
譜読みや暗譜のとき、その補完がなされているなと思います。
というのは、
音符を読む・指を動かし音を弾く・それらがつながる=メロディーになる、この一連のことを“弾く”と言いますが、
読むだけでも、音を出すだけでもうまくいかないんですね。
読むことには視覚と脳を使うし、音を出すときは指を動かすので運動野を、そして音が出たら耳を、それらがつながって旋律になり聴覚と記憶が使われる。
つまり、視覚も脳も聴覚も指も、いろんな機能が使われて自然と弾いていくのですが、人によってその配分がちがっているだろうと予想できます。
聴覚が重点的な人もいれば、指で覚えるのが早い人も、視覚的に楽譜を覚えてしまう人もいる。色んな機能がそれぞれを補い合って“ピアノを弾く”になっているんですね。
そして、人それぞれ無意識レベルで弾くということをしているので、自分がどこを重点的に使っているか自覚していないことが多いでしょう。
視覚も聴覚も運動野も、どの機能も大事。
ピアノは幼いうちから習うのが推奨されるのは、こうした機能がピアノに限らず様々な学習面でも有効に働くから。
私たちの生活ではいろんな働きが無意識に行われていますが、それらがスムーズに連結するとミスも少なく作業も早くなります。
子どもの時からいつの間にか色んな機能がうまく連結していくこと。
それは本人が社会生活をしていくうえでポイントになりますね。
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