日日是好日
日日是好日という茶道の映画、ご存じでしょうか。
若い作者が何気なく始めた茶道、そのお稽古から様々なことを学び、気づき、成長していくお話です。
私自身も原作者と同じ年頃から4~5年ほど茶道を習っていました。
もうあれから何十年もたってしまいましたが、折々にお茶のお稽古を思い出します。
いつかまた再開したいと思いながら、師である豊増先生は10年ほど前に亡くなられました。。。
お茶のお稽古とピアノ、何がちがうと言えばそれはもう歴然。茶道ではメモを取りません。手順を覚えるだけでも一苦労。なのに何とか少し慣れたころには季節が変わり、お道具が変わる。それによってまた作法が変わってくる。
ピアノのように、これができるまで練習して、そしたら次はこれをやってというような道筋ではないんですね。
あの、先生すみません。まだちゃんと覚えられてなくて…
「いいのよ、忘れても。いつか覚えますから」
え!____先生のこの言葉は衝撃的でした。
忘れてもいいなんて、言われたことがありますか?ありませんよね。
季節ごとにお道具や作法が変わり、それが少し慣れたかと思うとまた季節の変化が来て…
習い事はなんでも上達しなければいけない、できるようにしなければいけないと思い込んでいた私は本当にびっくりで。
ですが。
このお茶のお稽古のこと、豊増先生のことを、不思議なほど思い出すのです。
あの静けさに身を置き、移ろっていくものを教えてくださった先生のこと、本当にいい時間を過ごしていたのだと。
再開したいと思いつつ先生を失ってしまったことは心残りではありますが、私にとって茶道の先生は豊増先生だけなんですね。
私は今ピアノの先生、この豊増先生のように忘れてもいいよとはなかなか言えない立場ですが、忘れたら何度でも教えるよと言いながらレッスンしています。
そして、生徒それぞれが求める成長をリードしてあげたいと思っています。
人は記憶でできている。
あなたにとってピアノがいい充電となりますように♫
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