⑤鈴木さんのこと
実は発表会直前の土曜の午後、鈴木さんのレッスンを入れていました。
その日は肌寒い雨で、近所ということもあり私は心配なので車で迎えに行きました。
「私はもうダメなんです。もうこのレッスン室にも来れないでしょう。あき先生には本当によくしていただいて…」と普通にお話されて、私はいけないと思いながらも涙を我慢できなかった。
すると鈴木さんも声を詰まらせ、私の頭をやさしく2度ポンポンと慰めてくれて
「これだけ私は楽しかったんだなぁ。もっと続けたかったなぁ。本当にレッスンできて楽しかった」
。。。残された時間がとても貴重で、ご希望をかなえてあげたいと祈りながら迎えた当日。
鈴木さんは黒の上下に白のジャケットお召しですごく素敵な装い。
そしてお声もいつもと同じように朗々とよく響いて、それはそれは幸せなステージが実現しました。
野ばらが始まり、伴奏する私はこの日を迎えられたことに感謝してピアノに向かいました。
あぁもう3番になってしまった、もっとこの曲が続けばいいのに……名残惜しくてなりませんでした。
本当に幸せなステージになりました。ご協力くださった皆様にあらためて感謝申し上げたいと思います。
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