③鈴木さんのこと

発表会のお誘いをしたのは6月だったでしょうか。

「若い人たちの会ですし…」と遠慮なさっていましたが、

「では思い切って出てみましょうか」とお電話くださったときは、私もぱぁっとワクワクした気持ちになりました。

「毎朝郡山に流れる野ばら、子どもさんたちがこの地を離れても思い出してくれたらいいなと思いまして。そして当日は会場の皆さんも一緒に歌っていただけたら…」

美しくてちょっと切なさもあるウェルナ―の野ばら、本当にいい選曲です。

私も毎朝この曲が聞こえてくるたびに、鈴木さんの曲だと思いながら口ずさむようになりました。

夏になり、少しお痩せになってきていることに気づいて内心ハラハラした気持ちも。

「年のせいか食べる量が減ってきましてね。でも体調は全然元気なんですよ」

そうおっしゃる通り、お声もますます伸びて上達なさっています。

急に不調などなければいいけれど、と心配な気持ちがありながらも

「当日はこんな服装でどうでしょうね？靴はこれでいいですか？」と、いろいろ楽しんでご準備されていて、そんな会話もとても明るいものでした。