①サーブとリターン
今回はサーブとリターン、発達心理のお話です。
子どもからの何らかのしぐさや言葉=これがサーブで、
子どものそれを言語化したり行動で返すこと=これがリターンです。
乳幼児は言葉が使えないので、赤ちゃんは泣くということで不満や不快を表現します。
するとお母さんは、ミルクかな?抱っこかな?眠いのかな?と色々反応を子供に返す。そうすることで親子の間での会話がなされ、子どもは満足を得ます。
でももし、おとながリターンしなかったら?
感情~認識~言葉~記憶~感情…というサイクルがあって、この領域のつながりが弱いと、精神的・感情的に不安定な人間に傾いていくという研究結果があります。
乳幼児期の記憶なんかないはずなのに?と疑問に思う方もいらっしゃるでしょう。
確かに、乳幼児の具体的記憶はほとんど残ってないですよね。でも、具体的記憶としてではなく、無意識レベルの記憶は後々まで残ると言われています。
これはどういうことかと言えば、
何でかわからないけどこれがすごく怖い、とか、
何でかわからないけど人との付き合いが苦手、とか、
何でかわからないけど相手の言葉を疑ってしまい信用できない、とか、
何でかわからないけど不安感が強くて落ち込みやすいとか、
この“何でかわからないけど”というのが無意識の記憶です。
具体的に何があったか覚えていないけど、その時の感情は無意識レベルで残ったまま成長していく、という感じでしょうか。
あんまりこういうことを意識しすぎると親の方がストレスだらけになってしまいますが、
要は、ごく普通に“会話”すればいいのです。
子どもから何かのサインがあったら、それを受けて返す。これは言葉が使えるようになってからも当然有効で、
機嫌が悪いようなら、どうしたの?何かあったの?と声をかけるだけでも子供にはパワーチャージになる。
不安に思っているようなら、心配だよね、でも大丈夫と励ましてあげる。
元気がなさそうなら、声をかけて返事がなくても撫でたり抱っこしてあげる。
何かの返球=リターンをすればOK。
つまり、気にかけてるよ、君の味方だよ、一人じゃないよということが伝われば、それだけでも子どもの気持ちは安らぐのです。
さて続きは次回へ。
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