④指使いの意味
今回はちょっとマニアックというか、ピアノの先生向けの情報かも。
原典版で指使いが書かれている場合の版ですが、
その出版時期によって、同じ曲でも指使いがちがっていることがあります。版を重ねるとき、どこかの段階で改訂しているのですね。
これは指使いに限らなくて、スラーや強弱、ナチュラルなどの臨時記号が変わっている場合もあります。
一番驚いたのは、バッハのフランス組曲だったかな?
生徒さんが買ったヘンレ版と、私が使っているヘンレ版では一部の音がちがっていました。確か私の楽譜の方が音の数が多かった、のだったか?
ブラームスでは、スラーのかかり方がちがっていました。となるとフレーズの解釈が変わってきますね。もちろん指使いもちがう箇所がありました。
こういう場合は両方を検討して弾きやすい方を選べばいいので、選択肢提案が増えるということですね。
外版は、版によって指使いや音符やリピート、記号などが変わることは時々見られます。ただ、比較できる楽譜がないとその違いに気が付きません。どちらが正しいというわけでもないですし、どれを選ぶかは奏者が選んでいいことです。
ただ、コンクールなどで楽譜指定がある場合は、その指示に従わないと困ったことになるから注意が必要ですね。
こうしたことは、普通の生徒さんに情報として与えるのは先生の役目。
専門家でない限り、何冊も楽譜を用意するなどは求められませんので、
「楽譜によってこんな風にちがうことがあるよ、どっちでも大丈夫だけどどうする?」
私はこんな風に生徒に提示しています。
いずれにしても、楽譜やその記号の違いを選択するのは奏者の自由。優れた演奏になるならそれでいいのです♫
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