異稿って?
聞きなれない言葉、異稿。
かんたんに言うと、同じ曲なんだけど楽譜が2通りあること、です。
たとえばショパンのワルツ。
原典版の9番10番など何曲か、異稿がありますね。
日本の出版社の楽譜に異稿は載ってないけれど、原典版には異稿が2通りの楽譜として収録されています。
これはどういうことか?
旋律は同じだけど、伴奏や装飾音やリピートがちがうバージョンを作った。それで同じ曲なんだけど2通りの楽譜ができたというわけです。
ざっと聞くとその区別はほとんどわからないので、どっちの楽譜を弾いているかなど気づかなくて普通。
リピートが多くて冗長に思うならそうじゃないほうで弾いていいし、装飾音の違いで好みの方があったらそれを選べばいい。どっちでもOK。
ショパンの幻想即興曲にも異稿がありますが、最初の方の伴奏で音が少し違っています。
日本で流通している楽譜は原典版Bの方が多いかな?でも、聴いてその違いを耳がキャッチすることはあんまりないかも。その程度の違いってことなんですね。
もちろんショパンだけじゃなく、シューマンやリストにも異稿はあります。
シューマンのソナタにおいては、異稿というレベルを超えたものがあって最初は私もびっくりしましたよ。
リストには異稿という程ではなく、ある部分だけ2通りのフレーズが書かれた楽譜があったり。
そういう時は、好きなフレーズの方を選んだり、弾きやすい方にしたりします。
原典版というのは、作曲家が書いた楽譜に忠実なもの、という意味なので、残された楽譜があるならそれを収録しないわけがない。
原典版で異稿を見つけたら、どこが違うか見つけるのも面白いですよ♬
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