客観的な視線で
前回お話ししましたように、コンクールの審査というのは専門家が客観的に評価するものです。
客観的と言われても抽象的なのですが、
自分がいいと思っても、他者にとってはそうでもないということはありますよね。
たとえば
おいしいと思うもの、好きだと思う歌、心地よく感じるもの、気に入った色んなもの、
これらすべて主観のもので、もちろんみなさんはそれぞれに、それを好きでいいんです。
私は犬が好き、でもあなたは猫の方が好き、ということですね。
コンクールではどうしても優劣がついてしまいます。
これはスポーツで言うところの試合と同じですから仕方ありません。
その評価に納得できないという方がいてもおかしくないですよね。現に昨秋のショパンコンクールでもそういうことはたくさんありました。
結果はもうどうしようもないことですが、
コンクールで評価されるようになりたいと思うなら、客観的に自分の演奏を振り返るのはすごく大事ですよ。
そのときに、審査員からの講評、これはとても役立ちます。
また、ほかの演奏を聴いてあなたはどう思ったか?
自分と何がちがったか、何が必要だったかなど、学ぶことはいっぱいありますよ。
私はコンクールを、上達するためのツールと思っています。
ピアノを好きになってほしい、ピアノの良さを知ってほしい、そしてあなたが望むラインまで伸びてほしい。
そのためにうまくコンクールを活用して、でも決してそれに振り回されることなく、いいピアノを弾き続けてほしい___そう願っています♫
先日おとなの生徒さんが来るまでの時間にちょっと練習していましたら、約束の時間に少し遅れておいでになりました。
「すみません。実は来てたんですが、そこで先生のピアノを聴いてたんです。いいなぁって」
あらー気づかなかった。そうでしたか。
「なんていう曲ですか?すごくきれいな曲ですね」
__そうそう、こういうことってありますよね。
では次回、『人は影響を与え合う』についてお話しますね。
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