辻井伸行ピアノリサイタル
おとなの生徒さんのむーさんから
「NHKで辻井伸行リサイタルが放送されますよ」とメールが。
むーさんはよくこういうメールを送ってくださいます。あらそれならとさっそく録画しました。
辻井伸行君、私が彼を知ったのは、彼が高校生くらいの時だったか。
全盲のピアニストということでメディアで取り上げられていましたが、全盲ということを抜いても音楽の女神に愛されているのがよくわかりました。
その後、ヴァン・クライバーンコンクールでの優勝で一躍有名になり、それからずっと第一線で活躍中なのはみなさま良くご存じの通り。
彼のピアノは、本当に自然な演奏で力みがないこと。完全に脱力していて軽々と音を奏でます。その演奏スタイルは彼独特のものでもあるけれど、音色の美しさは群を抜いていて演奏の内容も濃い。いくつも学びがありました。
さて、プログラムはドビュッシーとチャイコフスキー、ショパン。
そのどれもが、さりげない音色ですっと始まり、軽いテンポで前進し、かといって気負いがなく、それはそれは素晴らしいものでした。
ですが、
なんといってもアンコールのエチュード中盤で弦が切れたときはびっくり!
フルコンサイズのピアノの弦が切れるなんて初めて見た。
ピアノの弦が切れるとき、みなさん知ってますか?ものすごい衝撃があるんですよ!
たとえて言うなら、ピストルが目の前で撃たれたかのような?
私も何度か弦を切ったことがありますが、
それはもう心臓に衝撃が来るようなショックで、あまりの強い衝撃ですぐ手が止まりましたね。もうバクバクです。
でも彼はすごい。
弦が切れた衝撃をびくともせず、何事もなかったかのように演奏を続けて…これには脱帽。
なかなかできることではありませんよ。すごい。
もし本番で弦が切れたら瞬間的に手が止まるような場面なのに、彼の演奏には何の動揺もなかった。敬服です。
この日の放送は本当に素晴らしい内容で、私も大きな刺激を受けました。
ソナタの3番かぁ…久しぶりに弾いてみようかな♫
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