幼少期の…
低学年で引き継いだ段階ですでに
・ピアノ、なんかイヤだなぁ…
・気が進まないよ…
・あーあ(ため息)…
こんな感じになっている生徒さん、たまーにいます。
さすがに言葉では言いませんけどね。だいたいその表情でわかります。
お母さまは
「今まで3年ほどやってましたがうまくいかなくて…でも弾けるようになってほしいんです」
その気持ち、よくわかりますよ。
小さければ小さいほど軌道修正は効きますしね。
こういったケースのほぼ全員が、基礎力がほとんどついてない状態。
おんぷが読めないし、だから弾けないし、指の形もできてなくて、これは本人がうんざりするのも無理はないですよね。
指導方針をお伝えして基礎からやっていきましょういうことでレッスンすると、
すこしずつ改善して自信をつけていくので、あぁよかったなぁとつくづく思います。
せっかく先生を探して仕切り直そうとしたその気持ちに応えられたという安堵感と、生徒が弾けるようになっていく嬉しさがあります。
でも、基礎力はついていくけどやる気のない顔は変わらない、という場合がたまーにあります。
読譜力もつき、テキストも進み、それなりに弾けるようになっていく。
その点に関しては親御さんも本人も満足しているようではあるのですが、私が引っかかるのは、その表情や様子が前向きにならないこと。
ピアノって、弾き手の気持ちが表れるものなんですね。
うまいヘタという以前に、
真摯な気持ちで取り組んでいるかどうか、誠意をもってピアノに向かっているか、これ、すごく大事です。
練習不足でもいいんです。うまく弾けなくてもいいんです。
ただ、気持ちをまっすぐにピアノに向けてくれればそれだけで前進するんです。本当ですよ。
だけど、
なんだかちょっとイヤそうな気持ちのままピアノに向かっていると、音色のオーラというのでしょうか、何だかわからないけどいいものじゃない、ということが伝わってしまうんですね。
以前、大きくなった生徒さんにそのことを訊いてみました。そしたら
「最初にピアノを始めたときは楽しかったけど、ピアノがうまい子がいて、でも自分はあんな風にできなくて、それでなんだかいやになっちゃって…
でも、コンクールに出ることになったけど入賞できなくて…
コンクールのあとまたふつうの本に戻ったけど、やっぱりおんぷ読めないし、だから弾けないし…」
___なるほど。。。
ピアノに対して、最初はみんな嬉しい気持ち、楽しい気持ちでレッスンを始めるけど、「できない」まま、さらに進んでもっとできなくなってという悪循環だったようですね。
できないことばかりが増えていったら、自信をなくして逃げたくなるのも無理はないですよね。
幼少期のこうした体験は、ピアノに対する印象を悪化させます。
途中で自信復活という方向転換ができたらいいけれど、
結局ピアノがキライなまま大きくなってしまうケース、数年に一度くらい出くわします。
そうなったら、なかなかその気持ちを払拭させるのはむずかしい。すごくもったいないし悲しいことですよね。
私は、自分に縁があった生徒は全員、ピアノに自信を持てるようにしてあげたいと思っています。
でも、生徒の過去の記憶まではなかなか手が届かない、かも…
もちろん、こういう重症なケースは少ないけれど、みんなが笑顔でピアノに向かえるようになってほしい。
ピアノっていいですよ。本当に♬
0コメント